そこに寄り添う人がいれば

in #japanese5 years ago

本日は、ぼくが地方移住を検討するきっかけになった事について書いてみたいと思います。

きっかけは、ずばり 親族の「介護・看護」です。
それも、ぼくの両親ではなく妻の両親、祖父母の介護や看護のリスクが急激に高まったことが起因しています。

高齢化による介護や重病による看護というものは、生きている限り、誰にでも起こり得る事象です。
皆さんは、ご両親や祖父母が急に倒れたとき、大病を患ったとき、大きなケガをしてしまったとき、どんなことを考えてどんな行動を選択しますか?

ぼくは、自分がとれる行動の選択肢は大きく3つあると考えました。

1つ目は、自分自身または配偶者が面倒をみる
2つ目は、施設に預けて面倒を見てもらう
3つ目は、自助努力でなんとかしてもらう(≒ノーポジション)

これらを考えたときに、皆さんならどの選択肢を選びますか?

最初にぼくが考えたのは2つ目の選択肢 【施設に面倒をみてもらう】 でした。

世の中には高齢者の面倒を見てくれる介護施設や病人を看てくれる施設は多くあります。
かなり大きなコストがかかるものの、それが最も現実的な解だと思えました。

しかし、本当にそれでよいのか?という、もやもや感が心に大きく残りました。

このもやもや感の正体は割とすぐに判りました。
「その選択で、みんな幸せなのだろうか?」

この問いに対して、自身を持って「Yes」と言えないことが心の引っかかりでした。

介護される・看護される義母・義祖母・義祖父はもちろんのこと、妻の想いはどうなのか。

妻は学生の頃から
『家族の最期は、なんとか自分が面倒をみたいと思っている』
と話していました。
そして、その想いは強いものであることは分かっていました。

それを考えると、
「その想いを封じ込めてまで、親子の絆をないがしろにしてまで、ぼくは今の仕事や生活に強いこだわりを持っているのだろうか?」
という疑問が頭をもたげるようになりました。

親孝行 したいときには 親はなし
ぼくの都合で、親孝行したいと思っている妻にそれを強いることになるのではないか。
それはとても悲しいことではないのか。

これを読んで頂いている皆さんにも、もしかしたら同じような状況が起こっているかもしれないし、今後起こるかもしれません。
その時にご自身にどんな問いを問うのか ということはとても大切なことのように思います。

ぼくが色々考えをめぐらせる中、自分に投げかけた問いと導かれた答えは、

人間は何のために生きるのか?
『人間は幸せになるために生きているのではないか』

人間の人生の幸・不幸はいつ決まるのか?
『それは人が死ぬときに全て集約されるのではないか』

人間の幸・不幸とはなんだろうか?
『これが幸せ、という解は見つからないし、人それぞれ・ときどきにあるものかもしれない。
ただ、自分が死ぬときに大切な人がそばにいない、大切な人が死ぬときにそばにいられないことは、少なくとも人生に強い悔いを残す不幸なことではないか』

これら問いへの答えは、人それぞれ違うかもしれません。
しかし、ぼくの場合は何度問いかけても同じ答えにしか行きつきませんでした。

そして、その対象が実の両親であっても 妻の両親であっても変わらない という事も自覚しました。

人はいつか死にます。
皆さんは、大切な人(大切な人にとって大切な人)の死期が迫っている時、重病で苦しんでいる時、どんな問いを自分に投げかけ、どんな行動を選ぶでしょう?

私の場合、予想より早くその時が訪れましたが、皆さんも40代・50代になると直面することかもしれません。
あるいは、80代ぐらいになると、ご自身が死を意識する時がくるかもしれません。

人は、死を迎えようとするとき寄り添う人がいれば 幸せなのかもしれません。
そして、死を迎えるときに寄り添うことができない事は 悲しいことなのかもしれません。

いつかやってくるかもしれない未来の選択に対して、少しばかりの参考になっていれば幸いです。

Have a nice day☺

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うん、とてもわかる。私は自分が対処しなきゃいけなければ絶対(2)の選択肢を選んだと思います。遠く離れているので全てを姉にまかせっきり、姉は何年も縛られたまま(1)の選択をしました。私は何度も施設を勧めたのですが、介護をするのは姉で私は結局逃げてた身ですから。
長年縛られて自由もなく昼も夜もなく大変な思いをして、腹も立っていたと思いますが、その分母に対する思い出と気持ちは多かったと思います。

@amblogさん
ありがとうございます。
仰る通り、介護や看護には、兄弟・姉妹のつながりにも大きく関係してきますよね。
私の家内は3姉妹で家内は真ん中なのですが、義姉も義妹も嫁いでいき旦那さんが長男or稼業のため実家に戻る確率は極めて低く・・。

人生の大きな宿題だとは思いますが、仰る通りその分家族の絆や想いが(良くも悪くも)強くなるのでしょうね。

本当に良くも悪くも想いは強くなると思いますよ❗姉にしてみれば、あのしっかり者だった母の姿にイラつき悲しみ、途中は赤ちゃんと同じって悟ってましたけどね。他界もしっかり受け止め、いなくなっても習慣を欠かさない、密接に過ごしたのがよくわかります。

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私の父は10年前に大病して2度の大手術をしました。その後の経過は良く本人は元気ですが、体力は年々落ちているようです。

私の双子の娘たちがあと2年半で高校を卒業するので (こちらは12月に卒業)、そしたら有休を取って2~3ヶ月間、日本に帰って父の面倒をみてあげたいと思っています。

手術後、父にオーストラリアに移住して来ない?と提案したのですが、言葉の通じない海外に住むのは嫌と断られてしまいました。

親孝行できるうちに行動を起こされた@kotaro.ktgさんは素晴らしいと思います ( ˊᵕˋ )

@sallyfunさん
病気というものは、いつ・誰のもとにやってくるのか分からないから恐いですよね。
義母も(特殊な)癌との闘病が15年以上続いており、
摘出手術→転移→抗がん剤治療→寛解→再発・転移→大手術 を経ています。
こちらも体力はだいぶ衰えており、この春には転んで足を骨折してしまいました。

@sallyfunさんのお父さん同様、妻から都市で暮らす可能性を聞いたことはあるそうですが、今暮らしている家を終の棲家と固く決心しているようです。(義父も義祖母も同様)

難しさもあり、チャレンジングな道だとは思いながらも、後悔の少ない人生が築ければいいなと思います。
ありがとうございます!